第24回研究会を下記のとおり開催いたします。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
継承の主体に着目した芸能・祭礼研究ー共同体、わざ、身体をめぐって
日時:11月16日(土)14時〜
会場:國學院大學 渋谷キャンパス若木タワー5階
趣旨説明:田邉元
発表者:高久舞、相原進、中里亮平(発表順)
※参加される方はお申込みフォーム(https://
※オンライン会場を予定しております。ZOOMを使用します。
※タイトルは変更される可能性があります。
※発表要旨は後日公開いたします。
第24回研究会を下記のとおり開催いたします。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
日時:11月16日(土)14時〜
会場:國學院大學 渋谷キャンパス若木タワー5階
趣旨説明:田邉元
発表者:高久舞、相原進、中里亮平(発表順)
※参加される方はお申込みフォーム(https://
※オンライン会場を予定しております。ZOOMを使用します。
※タイトルは変更される可能性があります。
※発表要旨は後日公開いたします。
第23回研究会を下記のとおり開催します。多くのご参加をお待ちしております。
日時:2024年7月28日(日)14:00~ (ハイフレックス開催)
会場:早稲田大学早稲田キャンパス(3号館604演習室)およびオンライン会場(ZOOM)
※オンラインではZOOMを使用します。申し込みいただいたすべての方に、当日、ミーティング情報をメールでお知らせいたします。
※タイトルは変更される可能性があります。
第22回研究会を下記の通り開催します。
多くのみなさんのご参加をお待ちしております。
日時:2023年5月27日(土)14:00~ (ハイフレックス開催)
会場:國學院大學渋谷キャンパス(若木タワー5階 0509演習室)
※ 以前までとは違う会場です。
およびオンライン会場(ZOOM)
※参加される方はお申し込みフォーム(https://
※オンラインではZOOMを使用します。申し込みいただいたすべての方に、当日、ミーティング情報をメールでお知らせいたします。
※タイトルは変更される可能性があります。
発表1 安西生世 (國學院大學大学院文学研究科)
植田晃司と石見神楽「大蛇」―石見神楽の〈オロチ〉誕生が地域に与えた影響―
本発表では、石見神楽の伝統的産業のうち、「石見神楽蛇胴」の製作者と成立過程を明らかにし、地域内外に与えた影響について検討する。
島根県西部・石見地域の民俗芸能、石見神楽の演目「大蛇」で用いられる「石見神楽蛇胴」は、明治末期に浜田市の石見神楽長浜社中・植田晃司が提灯をヒントに考案し、製作技術と〈オロチ〉の舞法を確立した。
この〈オロチ〉誕生以前は、蛇頭を頭にかぶり、鱗紋を描いた白衣袴の装束を用いた一人立ちの舞だった。「石見神楽蛇胴」は最長約17mにもなり、自在に伸縮するため、神話「素戔嗚尊の八岐大蛇退治」を表現する上で非常に効果的で、地域の人びとや他の神楽社中にも〈オロチ〉は受容された。
明治期から昭和の戦後にかけて全盛を極めた石見神楽長浜社中の活動と、植田晃司の蛇胴製作および舞法の教授によって、「石見神楽蛇胴」による〈オロチ〉は石見地域全体の演目「大蛇」の芸態に大きな影響を与えた。昭和30年代以降は、孫・植田倫吉が「植田晃司」の名と技術を継承し〈オロチ〉の発展と伝播を支えて現在に至る。
昭和45年の万国博覧会(大阪府)では、はじめて3つの神楽社中が合同で13頭の〈オロチ〉を出して「石見神楽・大蛇退治」のパフォーマンスを披露した。これまで、万国博覧会が石見神楽「大蛇」の最大の転換期といわれてきたが、明治末期の成立以降、石見地域で人々のおどろきと文化の受容を積み重ねた結果、石見神楽の代名詞という評価を勝ち得たのである。
しかし「石見神楽蛇胴」は、明治期以降に生まれた〈新しい文化〉として重要視されてこなかった。本発表では、当代の植田晃司や地域の人びとの聞き取り調査や資料調査の結果を提示し、石見神楽の文化と他地域の民俗芸能を支える伝統的産業の研究の必要性を検討する。
発表2 大泉雄都(帝京大学大学院文学研究科)
天然理心流剣術の「型」における内と外
天然理心流は、江戸時代寛政年間(1790年頃)に近藤内蔵之介が創始した剣術流派である。近藤内蔵之介については、遠江(静岡)の出身ということ以外詳しいことは伝わっていないが、諸国を漫遊して「鹿島神道流(鹿島心当流)」を学んだ後に天然理心流を創始したといわれている。蔵之介は、江戸両国の薬研彫りに自身の道場を構えながら、武州多摩地方や相州へも稽古に出向いて門徒の指導に当たったとされ、日野、八王子にも天然理心流が伝えられた。「八王子千人同心」を始め、周辺の村々からも多くの人が学んだとされる剣術である。その後、新撰組の隊士、近藤勇、沖田総司らが道場を継ぎ、現在も10代目宗家・平井正人氏によって、複数の道場で稽古が行われている。
各道場によって、微量の差があるものの、天然理心流の稽古は、「型」の習得を目的とした型稽古を行っている。天然理心流の「型」は入門編の「切り紙」から始まり「目録」→「中極意目録」→「免許」→「印可」→「指南免許」と、六段階に区分されており各文献に記載された内容を習得する事で、極みに至るといわれている。しかし、文献に残る「型」がすべて再現できているわけではなく、再現された型の習得の他に、宗家と一部の門下生による「型」の再現も道場の活動の中核となっている。「型」の再現にあたっては、文献に残る「型」の内容が一連の動きで再現されているか、一連の動きは合理的かつ再現性の高いものなのかを宗家を含めた門下生で検討する。また、一度再現された型であっても、改変が起こることも多い。
本発表では、天然理心流剣術の型の改変が道場の外にも影響を与える可能性があるのか、実際に道場で扱っている「型」の内容とその改変に着目しながら検討していきたい。
第21回研究会を下記の通り、オンライン形式で開催します。多くのご参加をお待ちしております。
日時:2023年2月5日(日)14:00~(オンライン形式)
※ 参加される方はお申込みフォームよりお申し込みください(2023年2月3日締め切り)。
※ Zoomを使用します。当日、ミーティング情報をお申込み時にいただいたメールアドレスにお送りします。
※ タイトルは変更される可能性があります。
発表1
Colleen C. Schmuckal シュムコー、コリーン・クリスティナ (東京藝術大学 特別研究員)
ハイアート(高級芸術)としての日本の祭囃子?ーなぜ花輪ばやしの三味線は独立した音楽としても満足できるのかー
Japanese Festival Music as "High Arts"?: How the shamisen part within Hanawa-bayashi can be satisfying as an independent piece of music
花輪ばやし(秋田県鹿角市)は、三大囃子の中で唯一、打楽器と笛の新調に三味線を取り入れ、先行する囃子(祇園囃子と神田囃子)と比較して表現の幅を広げている囃子である。しかし、2016年に花輪ばやしがユネスコ無形文化遺産に登録されたのは、この音楽の独自性ではなく、太鼓奏者が地上を歩くという祭りの山車の構造によるものである。当時の花輪ばやし会長が説明するように、この祭囃子の音楽が聴覚的に伝えられ、記録された歴史が比較的短いことから、「高級芸術」の価値が低いとみなされたため、ユネスコはこの祭の核心部分、その音楽を見落としてしまった(鹿角市、2019年)。
この音楽の実際の分析では、三味線という重要な楽器が、社会的に複雑な歴史を持ち、後から付け加えられた可能性があること、囃子というジャンル全体において共通の表現がないことなどから、一般に見落とされている。しかし、歴史的にも現在でも芸人たちの先駆的な努力によって、三味線の音楽的な理論と実践を深く理解した上で三味線の音楽的な部分が作られていることは明らかで、三味線の役割と影響力は複雑で、より慎重な検討が必要であると思われる。
2018年以降の花輪ばやしの対面フィールドワーク、インタビュー、実見、そして2018年、2019年、2022年の実際の祭り「舟場屋台」への三味線奏者としての参加を通じて、花輪ばやし自身が内在する音楽史、文化、演奏実践から、より有効な音楽分析手法を生み出すことが本研究の目標である。三味線が加わることで、打楽器や笛の演奏にどのような影響を与えるのか、また、現在の花輪芸人の多くが口にする「三味線パートの満足感」(鹿角市、2022年)を分析することで、このことを明らかにする。花輪ばやしを具体的に分析することは、現在コミュニティで活発に行われている過小評価されている音楽を正統化するために有益である。
Hanawa-bayashi
(Kazuno City, Akita Prefecture, Japan) is the only one of the three big hayashi
festival musical genres that incorporates shamisen into the shinto ensemble of
percussion and flutes, expanding the range of musical expression in comparison
to its predecessors. However, in 2016, Hanawa-bayashi was registered as a
UNESCO Intangible Cultural Heritage not for this musical uniqueness but instead
for the construction of the festival floats; which features the taiko drum
players walking on the ground. As the chairman of the Hanawa-bayashi festival,
Masahide Tozawa, explained, it is because this festival music is transmitted
aurally, and viewed as having little “high cultural art” value due to a
relatively short recorded history, UNESCO overlooked the true heart of this
festival; its music (Kazuno City, 2019).
The
actual analysis of this music has generally overlooked one of the key instruments, the shamisen, due to its socially complicated
history, possible later addition, and lack of common representation within the
hayashi genre as a whole. However, it is clear that through the pioneering efforts
of the geinin shamisen performers, both historically and still today, the shamisen’s
musical part was created through deep understanding of shamisen’s musical
theory and practices, making the role and influence of the shamisen both
complex and in need of more careful examination.
Through
in-person fieldwork, interviews, and first-hand observations of Hanawa-bayashi
since 2018, and participation in the actual festival, Funaba Float, in 2018,
2019, and 2022, the goal of this research is to create a more effective music
analytical method from Hanawa-bayashi’s own inherent musical history, culture
and performance practices. This will be done through analyzing how the addition
of shamisen influences the musical practices of the percussion and flutes, as
well as how the shamisen part feels “satisfying”: a statement made by many
present day Hanawa geinin performers (Kazuno City, 2022). A concrete analysis of Hanawa-bayashi
music is beneficial for legitimizing under-appreciated musics actively
performed by communities today.
発表2
藤森寛志(和歌山県教育委員会文化遺産課)
御坊祭の奉納芸能 ー 『御坊祭総合調査報告書』の刊行よりー
御坊祭は、紀伊半島海岸部のほぼ中央に位置する和歌山県御坊市薗に鎮座する小竹八幡神社(しのはちまんじんじゃ)にて毎年10月4日と5日の両日に行われる日高地域最大の祭礼である。
祭りは、氏子組九組から構成され、なかでも江戸時代から祭りを構成している一部の組からは奴踊(やっこおどり)や雀踊(すずめおどり)、戯瓢踊(けほんおどり)などの諸芸能が奉納される。また、全ての組から獅子舞と余興としての四つ太鼓が出される。御坊祭の特徴のい一つは、祭りを彩るこれらの奉納芸能の豊富さが挙げられる。
本報告では、平成31年から令和3年度にかけて文化庁の国庫補助金の交付を受けて御坊市が実施した「御坊祭民俗文化財調査事業」の成果から見えてきた御坊祭の奉納芸能の特徴について紹介する。
第20回研究会を下記の通り、オンライン形式で開催します。多くのご参加をお待ちしております。
日時: 2022年9月25日(日)14:00~(オンライン形式)
※ 参加される方はお申込みフォームよりお申し込みください(9月23日締め切り)。
※ Zoomを使用します。対応するブラウザはChrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Apple Safariです。当日、ミーティング情報をお申込み時にいただいたメールアドレスにお送りします。
※ タイトルは変更される可能性があります。
発表1 舘野太朗
民舞(民族舞踊/民俗舞踊)と民俗芸能
民舞(民族舞踊/民俗舞踊)は、日本各地の民俗芸能を基に再編した芸能で、わらび座をはじめとする「民俗歌舞団」、小中学校等の教育現場で実践されている。太平洋戦争後の日本で広まった、創作和太鼓、エイサー、よさこい系などの「新しい芸能」の源流のひとつでもある。日本民俗学、芸能史研究の分野では、民俗芸能という術語が一般的に用いられている。民舞はそれと目的や理念を異としながらも、微妙に重なる部分もある。本発表では民舞の受容と拡大を概観するとともに、民俗芸能との異同、相互の影響関係について若干の考察を行いたい。
発表2 德山海向子
新しい地域芸能 現代版組踊の再検討
―沖縄県うるま市による「肝高の阿麻和利」のフィールドから―
従来、地域で行われる芸能は、“神への奉納”、“祖先供養”を目的とした伝統芸能、民俗芸能という見方が主流であったが、近年は、それらに類されない芸能活動が展開している。同好会的団体による芸能、地域活性化のための芸能、教育現場での芸能、地域間交流の芸能、観光対象の芸能など多様な目的で実践されている。
2019年から2021年にかけて行われた「今を生きる人々と育む地域芸能の未来―「保存」から「持続可能性」への転換を志向する場の形成と人材育成」プロジェクトでは、地域の中で育まれてきた芸能を、民俗や伝統といった既存のカテゴリーで囲い込む見方を解きほぐし、これらを育む「地域」から芸能の持続可能な在り方を捉え直すための思考の枠組みとして「地域芸能」という言葉を設定している。地域で行われる芸能の基盤となる「地域」とは、人々が生存する地理的な範囲を示すだけでなく、そこに暮らす人々の間、人々と土地、人々とモノ、人々と出来事の間で織り上げられていく関係的な概念と捉えられる。そのような流動的な地域で行われる芸能を「地域芸能」として捉えることは、当事者たちに寄り添いながら実践を検討し、その課題に対する有効な手立てを見出せると考えられる。
現在、全国的に取組まれている「現代版組踊」は、2000年初演の「肝高の阿麻和利」を機に定着した。地域の歴史や伝統芸能を組込んだオリジナルの舞台を、中高生を中心とした地元の子供たちが主体となって運営する舞台芸能である。地域に根差した舞台作りを通して青少年の居場所作りや人材育成、地域おこしを目的としている。
本稿では、「現代版組踊」の先駆けとなった沖縄県旧勝連町(現うるま市)による「肝高の阿麻和利」について取上げ、当該地域における活動の展開と今後の課題について整理しつつ、「現代版組踊」という地域芸能の特性を挙げる。
1999年、旧勝連町教育委員会は、地域の無気力な若者たちが意欲を持てる文化活動の場を提供することと、町の意識改革を目的に、中学生による舞台作りを企画した。小浜島出身の南島詩人・平田大一氏を演出家に招き、創作されたのが「肝高の阿麻和利」である。
舞台の題材は、町のシンボルであった勝連城跡の象徴的な歴史に焦点があてられた。琉球王国時代、勝連地域を繁栄に導いたとされる勝連城按司・阿麻和利は、沖縄最古の歌謡集「おもろさうし」には英雄と詠われているが、王国編纂の正史では王府に反抗した逆臣と記されており、沖縄の古典芸能・組踊「二童敵討」では敵役として登場する。そこで、組踊で流布された阿麻和利悪人像の歴史観を乗り越えるべく、当初は、「二童敵討」に対抗する新作組踊の創作が発案されたが、演者である素人の子供たちが古典芸能を実践することは困難であったため、“現代チックな組踊”という解釈で、組踊の様式を現代風にアレンジした舞台が誕生したのである。楽曲には大太鼓や三線を用いたり、ダンスの要所に空手や琉舞の所作を振りつけたり、勝連地域の伝統芸能を取入れたりすることで、地域の伝統芸能を活かした演出が施されている。
一回きりの上演予定であったものの、初公演後に演じた中学生から再演の希望がされ、舞台活動は継続された。保護者を中心に支援団体が組織され、行政の手を離れてからも自立的な運営基盤を築き、市町村合併の壁を乗り越えながら、戦略的に舞台公演を行い、実績を積んでいる。
現代版組踊は、子供たちに故郷の誇りと魅力を自発的に発見させる生きた教材として、また、埋没していた地域の歴史を浮き彫りにし、伝統文化の良さを再認識させることで、地域における新しい価値創出の試みとなっている。「青少年の人材育成」、「地域活性化」の手法として評価を受け、他地域でも同様の取組みを志向した結果、沖縄県内外の17地域でも類似の舞台活動が誕生した。現在、異なる地域で各々の現代版組踊が演じられている一方で、全ての団体は「ダイナミック琉球」という沖縄の伝統芸能のエッセンスを含んだ曲のパフォーマンスを共有している。それにより、共通の歴史実践に従事しているという連帯感が生まれ、現代版組踊を通した各地域間交流への足場を築かれている。現代版組踊は、どの地域でも実践できる普遍性をもちながら、地域間のコネクションを生み出している。
「肝高の阿麻和利」は、今年で22年目に入る。現在うるま市は、当舞台を産業コンテンツ化することでイベント企画や修学旅行の誘致を図り、観光による地域活性化を構想している。こうした動向は、これまで舞台活動を通して育った人材の受け皿が創出され、「感動産業」の実現へと期待が寄せられている一方で、うるま市内部の認知度の低さが課題として浮かび上がってきた。
また、現代版組踊取組み自体の今後の継続性を考える上では、採算のとれる経営基盤の強化は必須であり、舞台活動全体のモチベーション維持は当初から変わらない重要な観点である。地域での舞台の在り方は変化するが、力強い継承のためには、既存の伝統芸能に習って、活動主体が本来の目的を見失わずにすむよう不可変の基軸を見出す必要もある。
【参考文献】
公立大学法人沖縄県立芸術大学『地域芸能と歩む「今を生きる人々と育む地域芸能の未来―「保存」から「持続可能性」の転換を志向する場の形成と人材育成」事業報告書』2022
德山海向子『沖縄の芸能文化における「現代版組踊 肝高の阿麻和利」の位置づけと今後の展望について』2021
本橋哲也『演劇としての歴史/歴史としての演劇:「パブリック・ヒストリー」と「現代版組踊」』2021
沖縄国際大学公開講座委員会『沖縄芸能の可能性』2005
狩俣恵一『沖縄の地域社会と芸能』コミュニティ政策学会2021
現代版組踊推進協議会ホームページ 現代版組踊推進協議会 (gendaibankumiodori.com)
正徳大学文学部文学科『民俗文化の継承におけるコストとモチベーションに関する基礎的研究』2019
第18回研究会を下記の通り開催いたします。
新型コロナウイルス感染拡大を鑑みオンライン形式で開催します。