2025年6月4日水曜日

十津川村の盆踊りを踊ってみよう

おすすめ民俗芸能イベントのお知らせです。

奈良県天理市で「十津川村の盆踊り」のワークショップが開催されます。 

十津川村の盆踊りを踊ってみよう
~民俗芸能体験ワークショップ~



内容

奈良県十津川村では、毎年盆の時期に各地区で盆踊りが行われます。そのため、各地区で特徴ある歌と踊りが継承されてきました。今回、十津川村西川地区から大踊保存会のメンバーを講師としてお招きし、盆踊りの講習を行います。伝統ある十津川村の盆踊りを体験してみませんか。(奈良県十津川村の大踊は国指定無形民俗文化財に指定されています。また、ユネスコ無形文化遺産「風流踊」の1つとなっています)


日時

2025年6月29日(土)13:00~15:00

場所

天理駅前広場コフフン 南団体待合所

入場無料

要申込(定員あり・先着順)

※動きやすい服装でご参加ください

申し込みフォーム

https://forms.office.com/r/kDS24Vm8HN

問い合わせ・担当

松岡薫(人文学部歴史文化学科 matsuoka★sta.tenri-u.ac.jp)

★をアットマークに変更ください

2025年1月29日水曜日

芸能文化研究会の紹介

芸能文化研究会とは

芸能文化研究会は2015年に首都圏で活動する若手研究者によって発足しました。発表者が自身の調査や研究に関連した話題を提供し、議論を深めるとともに、参加者それぞれが課題を発見して持ち帰ることを目的としています。これまでの研究会では、祭りや芸能をテーマとして取り上げてきました、とくにその周辺の分野に関心を持つ方の参加を歓迎いたします。


研究会の形式

研究会は、年間四回程度、不定期に開催しております。東京都内の会場の他、ウェブ会議システムを用いて遠方から参加することも可能です。発表者による話題提供に一時間、それを承けた参加者による議論に一時間を目安としています。学会発表よりも長い時間を使うことで、紹介する事例等を多くすることができます。今後は、通常の研究発表の他、合評会やインタビューなどの企画も検討していきたいです。


問い合わせ・連絡は下記メールアドレスからおねがいします。

geinoubunka@gmail.com

2025年1月18日土曜日

第25回研究会のおしらせ






第25回研究会を下記のとおり、開催いたします。

多くのみなさまの参加をお待ちしております。


日時:2025年2月16日(日)14:00~

会場1:渋谷スペース会議室303(東京都渋谷区桜丘町15-17-3階)定員16名 地図

会場2:オンライン(ZOOM)

※参加される方はお申込みフォーム(https://forms.office.com/r/hR7y9kKSzh)よりお申し込みください(2025年2月14日締め切り)。

※会場1は定員を満たし次第お申込みを締め切ります。

※オンラインではZOOMを使用します。当日に申し込みいただいたすべての方に、ミーティング情報をメールでお知らせいたします。  


発表1

鎌田紗弓(東京文化財研究所研究員)

パフォーマンスの「間」:伝統音楽合奏を実証的に分析する

芸能は、役割の異なる演者が“合わせる”文脈の上に成り立っているが、それは決して特定のポイントに“機械的に揃える”ことを意味しない。むしろ「間」などの言語表現においては、“あえて微妙にずらす”時間的表現の工夫が重視されてきた。これは、従来行われてきた音楽構造や個々の技法に関する研究では扱いにくかった特徴であり、それぞれの役割が全体として協調しようとするときに生み出されるものである。本発表では、日本の伝統音楽合奏における「間」の表現を探究し、演者間協調の側面から演奏実践の営みがどのように捉えられるかを論じる。特に、歌舞伎音楽の長唄囃子合奏や雅楽の管絃合奏を事例として、実演データのタイミングや動きの同期分析、インタビュー分析などを通して、「間」を成り立たせる協調の実態を多角的に考察する。


発表2

吉川侑輝(跡見学園女子大学講師)

音楽のエスノメソドロジーは何をどのように明らかにしているか

音楽のようなノンバーバルなモダリティをそなえた現象の分析をどう進めるべきであるかは、古典的にして悩ましい問題を構成している。むろん研究の目的にそくして適切かつ可能な手法と対象を選択することが重要であることは言うまでもない。エスノメソドロジー(EM)が試みるのは個別具体的な場面を当の場面が編成される方法に即して解明することであり、その方針は典型的には映像・音声記録を利用した相互行為分析として進められる。興味深いのはこうした探求が、音楽の分析を進める社会学、文化人類学、民俗学、そして心理学等々の立場から、対象場面の局所性や手法の選択性といった観点から「奇妙な」ものと映るようだということ、そして「他者を真剣に受け取る」ことを標榜する人類学的立場や、社会成員の「認識」や「意味づけ」の特定を進める「構築主義」の立場と、EM的な経験的研究とが並置されたとき、こうした衝突が一層際立つということである。本報告が目指すのは、見かけ上類似した目的を標榜する研究方針が経験的研究の水準において相互に異質な見えを備えているという(奇妙な)状況をひとつの足掛かりとしつつ、音楽のEMが何をどのように明らかにしているかを、遠隔アンサンブルの映像等の実際のデータ分析を通じて、実演的に提示することである。

2024年11月7日木曜日

第24回研究会のおしらせ



第24回研究会を下記のとおり開催いたします。

多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

継承の主体に着目した芸能・祭礼研究ー共同体、わざ、身体をめぐって

日時:11月16日(土)14時〜

会場:國學院大學 渋谷キャンパス若木タワー5階0502

趣旨説明:田邉元

発表者:高久舞、相原進、中里亮平(発表順)

※参加される方はお申込みフォーム(https://forms.office.com/r/bfwmGBTY1X)よりお申し込みください(2024年11月14日締め切り)。

※オンライン会場を予定しております。ZOOMを使用します。申し込みいただいたすべての方に、当日、ミーティング情報をメールでお知らせいたします。

※タイトルは変更される可能性があります。

2024年7月8日月曜日

第23回研究会のお知らせ

 


第23回研究会を下記のとおり開催します。多くのご参加をお待ちしております。


日時:2024年7月28日(日)14:00~ (ハイフレックス開催)

会場:早稲田大学早稲田キャンパス(3号館604演習室)およびオンライン会場(ZOOM)


発表1
杉山兵介 (国際仏教学大学院大学博士課程)
供養と菩提
―念仏剣舞の由来譚について―

本発表では念仏剣舞における由来譚の考察を通じ、大念仏系の剣舞と阿修羅踊系の剣舞では、<供養>と<菩提>という異なった機能がそれぞれで重視されている点を指摘し、念仏剣舞の機能的かつ思想的な側面の一端を論じてみたい。

<念仏剣舞>は東北地方に分布する念仏踊で、とりわけ岩手県においては鹿踊と双璧をなす民俗芸能として認知されている。しかしながら、念仏剣舞の発生と展開をめぐっては史料の少なさから不透明なところが多く、秘伝書や口伝で伝えられてきた由来譚の殆どは異聞奇譚のため、念仏剣舞の発生と展開を歴史的に実証することは極めて困難な状況にある。それだけに、かつて森口多里や小形信夫などが念仏剣舞の歴史考証を試みたが、いずれも推測の域を出るものではない。

他方で、念仏剣舞の由来を伝える物語が異聞奇譚であり、現実的でないという理由から考察が等閑にされてきた感もまた否めない。だが、念仏剣舞における機能的かつ思想的な側面を考察する時、念仏剣舞の由来譚は有用な観点を与えてくれる。

本発表では、まず念仏剣舞の由来譚を網羅的に類型化し、主要な系統を紹介する。つぎに、もっぱら大念仏系の団体が有する梅若伝説に因縁づけられた由来譚をとりあげ、その歌謡と連関して大念仏系の剣舞が<供養>の機能性を顕著に帯びている点を指摘する。これに対し、阿修羅踊系の団体の由来譚では、念仏剣舞の作法を仏教的な意味での智慧に位置づけ、悟りとして得たそれを功徳として振りまこうとする<菩提>とも言うべき志向がある点を指摘する。

一連の試みは、念仏剣舞における機能的かつ思想的な側面の一端を明らかにするだけでなく、「大念仏」と「剣舞」とを区別しようとする踊り手の意識や、由来譚の発達過程を考える糸口となる可能性もあり、有用性が期待できる。

念仏剣舞の史料は翻刻紹介が多くなされてきたが、学問的な研究事例に乏しい。鄙見を通じて先生方からのご批判を乞いたい

発表2
澤田聖也(東京藝術大学未来創造継承センター大学史史料室教育研究助手)
ハワイの琉球芸能文化と沖縄系人の関係性
―コミュニティからネットワークへの広がりを通して―

本発表は、ハワイにおける琉球芸能の社会的・文化的位置付けをハワイの沖縄系人の文化実践を通して検討することである。ハワイの沖縄移民史は、1900年に始まり、1906年の「仲真音楽会」を発端に、次々に琉球芸能の組織が誕生した。移民初期の頃から、ハワイの沖縄系コミュニティでは、琉球芸能が連綿と受け継がれ、現在においても様々な場面で披露されている。

ハワイの琉球芸能研究には、城田論文(2006,2007,2011)や遠藤論文(2014,2020)、Ueunten 論文(2007)、Teruya論文(2014)を筆頭に優れた研究成果がある。これらの研究の多くは、沖縄系の実践者と芸能の繋がりを中心に論じ、沖縄ディアスポラにおける琉球芸能の重要性が指摘される。実際、ハワイの沖縄系コミュニティでは、琉球芸能が沖縄や祖先と繋がる重要な要素として認識されている。

一方、こうした価値観と異なり、琉球芸能が沖縄系人に敬遠される時代もあった。琉球芸能と沖縄系人の関係性は、時代や世代によって異なり、そこには、沖縄系人のアイデンティティ問題が大きく関係している。

その背景には、「日本―沖縄―アメリカ―ハワイ」の歴史的・政治的関係性がある。沖縄ディアスポラの研究は、ホスト社会のハワイとホームの沖縄の関係性を軸に展開されてきたが、本発表は、日本と沖縄という宗主国/植民地の関係をアメリカ/ハワイの関係と交錯させて議論し、近代以降のハワイの沖縄系人のアイデンティティの複雑性や重層性を検討することで、琉球芸能がどのような位置付けにあったのかを把握する。

なお、本発表は、2024年度からの研究課題「トランスナショナルな音楽実践と四重意識の関係性―ハワイの沖縄系人を事例に―」(2024年度笹川科学研究助成)の経過報告の一部である。


※参加される方はお申込みフォーム(https://forms.office.com/r/zHzHbQqqKF)よりお申し込みください(2024年7月26日締め切り)。

※オンラインではZOOMを使用します。申し込みいただいたすべての方に、当日、ミーティング情報をメールでお知らせいたします。

※タイトルは変更される可能性があります。

2023年5月13日土曜日

第22回研究会のお知らせ



第22回研究会を下記の通り開催します。

多くのみなさんのご参加をお待ちしております。


日時:2023年5月27日(土)14:00~ (ハイフレックス開催)

会場:國學院大學渋谷キャンパス(若木タワー5階 0509演習室)

   ※ 以前までとは違う会場です。

   およびオンライン会場(ZOOM)

※参加される方はお申し込みフォームhttps://forms.office.com/r/0JNhLAjF67よりお申し込みください(2023年5月25日締め切り)。

※オンラインではZOOMを使用します。申し込みいただいたすべての方に、当日、ミーティング情報をメールでお知らせいたします。

※タイトルは変更される可能性があります。


発表1 安西生世 (國學院大學大学院文学研究科)

植田晃司と石見神楽「大蛇」―石見神楽の〈オロチ〉誕生が地域に与えた影響―

本発表では、石見神楽の伝統的産業のうち、「石見神楽蛇胴」の製作者と成立過程を明らかにし、地域内外に与えた影響について検討する。

島根県西部・石見地域の民俗芸能、石見神楽の演目「大蛇」で用いられる「石見神楽蛇胴」は、明治末期に浜田市の石見神楽長浜社中・植田晃司が提灯をヒントに考案し、製作技術と〈オロチ〉の舞法を確立した。

この〈オロチ〉誕生以前は、蛇頭を頭にかぶり、鱗紋を描いた白衣袴の装束を用いた一人立ちの舞だった。「石見神楽蛇胴」は最長約17mにもなり、自在に伸縮するため、神話「素戔嗚尊の八岐大蛇退治」を表現する上で非常に効果的で、地域の人びとや他の神楽社中にも〈オロチ〉は受容された。

明治期から昭和の戦後にかけて全盛を極めた石見神楽長浜社中の活動と、植田晃司の蛇胴製作および舞法の教授によって、「石見神楽蛇胴」による〈オロチ〉は石見地域全体の演目「大蛇」の芸態に大きな影響を与えた。昭和30年代以降は、孫・植田倫吉が「植田晃司」の名と技術を継承し〈オロチ〉の発展と伝播を支えて現在に至る。

昭和45年の万国博覧会(大阪府)では、はじめて3つの神楽社中が合同で13頭の〈オロチ〉を出して「石見神楽・大蛇退治」のパフォーマンスを披露した。これまで、万国博覧会が石見神楽「大蛇」の最大の転換期といわれてきたが、明治末期の成立以降、石見地域で人々のおどろきと文化の受容を積み重ねた結果、石見神楽の代名詞という評価を勝ち得たのである。

しかし「石見神楽蛇胴」は、明治期以降に生まれた〈新しい文化〉として重要視されてこなかった。本発表では、当代の植田晃司や地域の人びとの聞き取り調査や資料調査の結果を提示し、石見神楽の文化と他地域の民俗芸能を支える伝統的産業の研究の必要性を検討する。


発表2 大泉雄都(帝京大学大学院文学研究科)

天然理心流剣術の「型」における内と外

天然理心流は、江戸時代寛政年間(1790年頃)に近藤内蔵之介が創始した剣術流派である。近藤内蔵之介については、遠江(静岡)の出身ということ以外詳しいことは伝わっていないが、諸国を漫遊して「鹿島神道流(鹿島心当流)」を学んだ後に天然理心流を創始したといわれている。蔵之介は、江戸両国の薬研彫りに自身の道場を構えながら、武州多摩地方や相州へも稽古に出向いて門徒の指導に当たったとされ、日野、八王子にも天然理心流が伝えられた。「八王子千人同心」を始め、周辺の村々からも多くの人が学んだとされる剣術である。その後、新撰組の隊士、近藤勇、沖田総司らが道場を継ぎ、現在も10代目宗家・平井正人氏によって、複数の道場で稽古が行われている。

各道場によって、微量の差があるものの、天然理心流の稽古は、「型」の習得を目的とした型稽古を行っている。天然理心流の「型」は入門編の「切り紙」から始まり「目録」→「中極意目録」→「免許」→「印可」→「指南免許」と、六段階に区分されており各文献に記載された内容を習得する事で、極みに至るといわれている。しかし、文献に残る「型」がすべて再現できているわけではなく、再現された型の習得の他に、宗家と一部の門下生による「型」の再現も道場の活動の中核となっている。「型」の再現にあたっては、文献に残る「型」の内容が一連の動きで再現されているか、一連の動きは合理的かつ再現性の高いものなのかを宗家を含めた門下生で検討する。また、一度再現された型であっても、改変が起こることも多い。

本発表では、天然理心流剣術の型の改変が道場の外にも影響を与える可能性があるのか、実際に道場で扱っている「型」の内容とその改変に着目しながら検討していきたい。

2023年1月17日火曜日

第21回研究会のお知らせ



第21回研究会を下記の通り、オンライン形式で開催します。多くのご参加をお待ちしております。

日時:2023年2月5日(日)14:00~(オンライン形式)

※ 参加される方はお申込みフォームよりお申し込みください(2023年2月3日締め切り)。

※ Zoomを使用します。当日、ミーティング情報をお申込み時にいただいたメールアドレスにお送りします。

※ タイトルは変更される可能性があります。


発表1

Colleen C. Schmuckal シュムコー、コリーン・クリスティナ (東京藝術大学 特別研究員)

ハイアート(高級芸術)としての日本の祭囃子?ーなぜ花輪ばやしの三味線は独立した音楽としても満足できるのかー

Japanese Festival Music as "High Arts"?: How the shamisen part within Hanawa-bayashi can be satisfying as an independent piece of music

花輪ばやし(秋田県鹿角市)は、三大囃子の中で唯一、打楽器と笛の新調に三味線を取り入れ、先行する囃子(祇園囃子と神田囃子)と比較して表現の幅を広げている囃子である。しかし、2016年に花輪ばやしがユネスコ無形文化遺産に登録されたのは、この音楽の独自性ではなく、太鼓奏者が地上を歩くという祭りの山車の構造によるものである。当時の花輪ばやし会長が説明するように、この祭囃子の音楽が聴覚的に伝えられ、記録された歴史が比較的短いことから、「高級芸術」の価値が低いとみなされたため、ユネスコはこの祭の核心部分、その音楽を見落としてしまった(鹿角市、2019年)。

この音楽の実際の分析では、三味線という重要な楽器が、社会的に複雑な歴史を持ち、後から付け加えられた可能性があること、囃子というジャンル全体において共通の表現がないことなどから、一般に見落とされている。しかし、歴史的にも現在でも芸人たちの先駆的な努力によって、三味線の音楽的な理論と実践を深く理解した上で三味線の音楽的な部分が作られていることは明らかで、三味線の役割と影響力は複雑で、より慎重な検討が必要であると思われる。

2018年以降の花輪ばやしの対面フィールドワーク、インタビュー、実見、そして2018年、2019年、2022年の実際の祭り「舟場屋台」への三味線奏者としての参加を通じて、花輪ばやし自身が内在する音楽史、文化、演奏実践から、より有効な音楽分析手法を生み出すことが本研究の目標である。三味線が加わることで、打楽器や笛の演奏にどのような影響を与えるのか、また、現在の花輪芸人の多くが口にする「三味線パートの満足感」(鹿角市、2022年)を分析することで、このことを明らかにする。花輪ばやしを具体的に分析することは、現在コミュニティで活発に行われている過小評価されている音楽を正統化するために有益である。

Hanawa-bayashi (Kazuno City, Akita Prefecture, Japan) is the only one of the three big hayashi festival musical genres that incorporates shamisen into the shinto ensemble of percussion and flutes, expanding the range of musical expression in comparison to its predecessors. However, in 2016, Hanawa-bayashi was registered as a UNESCO Intangible Cultural Heritage not for this musical uniqueness but instead for the construction of the festival floats; which features the taiko drum players walking on the ground. As the chairman of the Hanawa-bayashi festival, Masahide Tozawa, explained, it is because this festival music is transmitted aurally, and viewed as having little “high cultural art” value due to a relatively short recorded history, UNESCO overlooked the true heart of this festival; its music (Kazuno City, 2019).

The actual analysis of this music has generally overlooked one of the key instruments,  the shamisen, due to its socially complicated history, possible later addition, and lack of common representation within the hayashi genre as a whole. However, it is clear that through the pioneering efforts of the geinin shamisen performers, both historically and still today, the shamisen’s musical part was created through deep understanding of shamisen’s musical theory and practices, making the role and influence of the shamisen both complex and in need of more careful examination.

Through in-person fieldwork, interviews, and first-hand observations of Hanawa-bayashi since 2018, and participation in the actual festival, Funaba Float, in 2018, 2019, and 2022, the goal of this research is to create a more effective music analytical method from Hanawa-bayashi’s own inherent musical history, culture and performance practices. This will be done through analyzing how the addition of shamisen influences the musical practices of the percussion and flutes, as well as how the shamisen part feels “satisfying”: a statement made by many present day Hanawa geinin performers (Kazuno City, 2022). A concrete analysis of Hanawa-bayashi music is beneficial for legitimizing under-appreciated musics actively performed by communities today.

発表2

藤森寛志(和歌山県教育委員会文化遺産課)

御坊祭の奉納芸能 ー  『御坊祭総合調査報告書』の刊行よりー

御坊祭は、紀伊半島海岸部のほぼ中央に位置する和歌山県御坊市薗に鎮座する小竹八幡神社(しのはちまんじんじゃ)にて毎年10月4日と5日の両日に行われる日高地域最大の祭礼である。

祭りは、氏子組九組から構成され、なかでも江戸時代から祭りを構成している一部の組からは奴踊(やっこおどり)や雀踊(すずめおどり)、戯瓢踊(けほんおどり)などの諸芸能が奉納される。また、全ての組から獅子舞と余興としての四つ太鼓が出される。御坊祭の特徴のい一つは、祭りを彩るこれらの奉納芸能の豊富さが挙げられる。

本報告では、平成31年から令和3年度にかけて文化庁の国庫補助金の交付を受けて御坊市が実施した「御坊祭民俗文化財調査事業」の成果から見えてきた御坊祭の奉納芸能の特徴について紹介する。